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TRANSCRIPT
コア間の電気回路の分割化に関するレッスンへようこそ
このレッスンでは電気回路を構成する部品について学び
それぞれの部品をどこでどのように使用するかを紹介します電気回路 の分割 を行う理由から始めましょう
その理由は通常多数のスイッチを含む複雑な
パワーエレクトロニクスや電力系統のモデルの並列計算を可能にするためです
基本的な分割化のアルゴリズムは接続されていない回路の検出に基づいています
この図では3つの独立した未接続回路があり最終的に3つの別々のコアに分割されます
これはSchematic Editorが接続されていない回路を検出すると
自動的にそれらを別々のコアに自動的に割り当てるためですこれを設定を手動で明示的に行い
別々の回路のいくつかの部分を同じコアにまとめることができますがこれについては後で説明します
電気回路分割に使用されるコンポーネントは「Ideal transformers with delay(IT)」「Transmission line model(TLM)」
および「Core marker」の3つの主要なグループに分けることができます
IT カップリングコンポーネントは伝達比が1の理想的なトランスですこれらは
エミュレートされたパワーエレクトロニクス回路を複数のサブ回路に分割するために使用されます
したがって各サブ回路は個別の処理コアに割り当てられ実行されます
さらにこの理想的なトランスブロックはカップリング間に1シミュレーションステップの時間遅れを生じさせますが
これはほとんどの実用的なシステムで無視できる程度のものです
Core couplingコンポーネント の赤側が電流源側 緑側が電圧源側です
ITカップリングコンポーネントは単相および多相にすることができます
各タイプの詳細については[Materials]タブのドキュメントリンクを参照してください
ITコアカップリングエレメントは場所によって
回路を不安定にする可能性がありますITコアカップリングコンポーネントの安定性を検証するために
SchematicEditorでカップリング安定性解析ツールを利用できますこれを有効にするには [Model] → [Model Settings] → [Circuit Solver settings]
をクリックし[Enable coupling stability analysis] チェックボックスにチェックを付けます
カップリングコンポーネントが回路に追加されると
トポロジカルな競合に関するレッスン3.2.1で説明したようにトポロジカルな競合が発生する可能性があります
これらの競合は カップリングの電流源と並列にまたはカップリングの電圧源と直列に
スナバ回路を追加することによって解決されますスナバはカップリングコンポーネントに内蔵されています
これについては スナバのパラメータ化に関するレッスン3.3.2.1.1で詳しく説明し ます
それではTLMコアカップリングに話を移しましょう
TLM(伝送線路モデル)のコア結合コンポーネントは伝送線路リンクに基づいています
ITカップリングコンポーネントと同様にエミュレートされたパワーエレクトロニクス
回路全体を複数のサブサーキットに分割するために使用されますカップリングコンポーネントは容量性または誘導性のいずれかです
コアカップリング要素は 単相 3相 4相 または5相にすることができます
各タイプの詳細については[Materials]タブのドキュメントリンクを参照してください
理想的なトランスベースのカップリングコンポーネントと比較した場合のTLMカップリングの主な利点はTLMカップリングが
対称的なコンポーネントであるということです TLMカップリングの両側は
抵抗の後ろ側にある電圧源となっていますこの特性のためTLMカップリングの向きは
重要ではなく回路にトポロジの競合が発生することはありません
主な欠点は回路にインダクタンスまたはキャパシタンスが追加されることです
ただし より良い結果を得るには
既存のインダクタ/キャパシタをTLMカップリングに置き換えることをお 勧めします TLMカップリングはbilinear discretization法に基づいているので
TLMカップリング部品に関してはbilinear discretization法を推奨します
ただしTLMのインダクタンスやキャパシタンスが比較的小さい場合はtrapezoidal discretization法を使用することができます
TLMカップリングは一般的にIdeal Transformerカップリングよりも安定です
TLMカップリングとbilinearまたはtrapezoidal discretization手法の組み合わせは
ほとんどの実際の使用例で安定性を保証するため追加の安定性解析は必要ありません
コンポーネントをパラメータ化するために5つのコンポーネントプロパティが用意されています
Coupling Type input valued for L or C Embedded inductors/capacitorsTLM/Embedded components ratio
およびRatioの5つです Coupling Typeはinductiveまたはcapacitiveのいずれかです
選択したタイプに応じてインダクタ値またはキャパシタ値のパラメータを使用できます
これらの入力に基づいてTLMカップリングは回路内の追加のインダクタ/キャパシタとして動作します
組み込みインダクタ/キャパシタが有効になっている場合は
組み込みインダクタ/キャパシタがカップリングの両側に追加されます組み込みコンポーネントを追加する場合は
TLMカップリングと組み込み コンポーネント の間でインピーダンスをどのように分割するかを指定する必要があります
これはTLM / Embedded components ratioおよびRatio propertiesを使用して実行できます
「Automatic」オプションが選択されている場合比率はdiscretization methodによって決定されます
例えばbilinear discretization法を選択した場合
カップリングエレメントはインピーダンスの約20%を使用し
残りはTLM結合組み込みコンポーネント間で 均等に分割さ れますtrapezoidal discretization法では
カップリングエレメントが使用するインピーダンスは5%未満で
残りはTLM組み込みコンポーネントで均等に分割されます [Manual]オプションが選択されている場合
モデルの要件を満たすように比率を明確に設定できます0〜1の値である必要があります
既存のインダクタまたはキャパシタは対応するTLMカップリングと交換できます
この場合TLMカップリングのインダクタンス/キャパシタンスは 交換したエレメントのインダクタンス/キャパシタンスと
同じである必要があります 組み込みインダクタ/キャパシタが有効になっている場合
インダクタンス/キャパシタンスはTLMと組み込みコンポーネントの間で分割されます
その場合最良の結果が得られますこの方法でTLMカップリングを使用する ことを お勧めします
TLMパーティショニングエレメントは単相または多相にすることもできます[Materials]タブで各タイプの詳細を確認できます
前述のように基本的なパーティショニングアルゴリズムは
接続されていない回路の検出に基づいています接続されていない各回路は個別のコアで実行されます
ただしCore Markerと呼ばれるコンポーネントがあり別々のコアを1つのコアに接続することができます
このコンポーネントはMarker IDという1つのパラメーターしかありません
独立した回路 接続されていない回路 または完全な回路図モデルのカップリングコンポーネントによって分割された回路は
同じMarker IDを持つCore Markerを共有すれば同じFPGAソルバコアでエミュレートされます
モデルを適切に分割するためにCore Markerは必須ではありませんがコアリソースを節約するのに役立ち ます
Core Markerの詳細については[Materials]タブをご覧ください
次にサンプルモデルを使用して同じコア内の回路の
一部をシミュレートする方法を見てみましょう
ご覧のとおりすべて異なるFPGAコアでシミュレートされた3つの別々の回路があります
次にこれら2つのコアにCore Markerを追加しますこのために
それらが同じIDを共有していることを確認しましょう IDには任意の名前を使用できるのでId0としましょう
モデルを再度コンパイルするとこの場合モデルが2つのコアに収まっていることがわかります
各タイプのコアカップリングには長所と短所があります
理想的なトランスであるITカップリングは構造は単純ですが
回路の配置や方向性に問題が生じる可能性があります 最適に行わないと
AOフラグで示される算術オーバーフローなど数値的な不安定性が発生する可能性があります
そのためコアカップリングの向きやスナバが必要かどうかを把握してそれらを正しくパラメータ化することが非常に重要です
シミュレーションの安定性と精度を維持するために
カップリング部品の位置を決定することが非常に重要です場合によっては
この手順は簡単な場合もありますがより困難な使用例もありますカップリング配置の一般的なルールは次のとおりです
ITカップリング要素は信号のダイナミクスが低いモデルに配置する必要があります
通常はコンデンサの隣またはインダクタの隣に配置します
カップリングコンポーネントの赤い側はカップリングの電流源側を表しています
この側はゆっくりと変化する電圧通常は電圧源またはキャパシタに向かって配置させる必要があります
カップリングコンポーネントの緑色の側はカップリングの電圧源側を表しています
この側はゆっくりと変化する電流通常は電流源またはインダクタに向かって配置させる必要があります
これらは一般的なルールですカップリング部品を理想的な位置に配置できるとは限りません
パワーエレクトロニクス回路は非常に動的ですスイッチの配列によっては
容量性回路がより誘導的になるようにトポロジーが変更されることがあるため
スナバ回路が必要になる場合があります ITカップリングの配置について は[Materials]タブのリンクで
詳しく説明されて います このドキュメントにはさらに多くの例を紹介しています
伝送線路モデル(TLM)コア結合は構造がより複雑ですが配置の面でははるかに寛容で
配置の向きの考慮やスナバは必要ありません
ただしこれらのメリットが有る一方でデメリットも有ります離散化のタイプを変更する必要があり
多くの場合余分なタイムスロットを使用することになりますさらに重要なことにこれらの結合には寄生容量が存在することです
この静電容量の値はインダクタンスと選択した
シミュレーション時間ステップの関数です結合に設定されたインダクタンスが小さいほど
回路に追加される寄生容量が大きくなります時間ステップが大きいほど静電容量も大きくなります
TLMカップリングは選択したカップリングタイプに応じて
インダクタまたはキャパシタが回路に追加されます
そのため既存のインダクタ(またはキャパシタ)を回路から取り外してから
対応するTLM結合コンポーネントをその場所に配置することをお勧めします
TLMカップリングの配置に関するその他の例は[Materials]タブのリンクにあります
経験的にITコアカップリングはパワーエレクトロニクスに
TLMコアカップリングはマイクログリッドや電力系統に適しています
とはいえこの2つのアプリケーション領域で別々のソリューションとして理解するべきではありません
すでに説明したCore Couplingコンポーネントに加えてCore Couplingが
埋め込まれているコンポーネントもありますたとえばtransformerのコンポーネントを確認すると
[General]タブの横に[Coupling]タブがあることがわかります
これは他のいくつかのコンポーネントの内部に埋め込まれたカップリングを使用できることを示しています
次に組み込みカップリングを単相2巻線トランスでどのように使用できるかを見てみましょう
単相2巻線トランスの組み込み型カップリングには2つの選択肢があります
Ideal TransformerをベースにしたカップリングとTLM カップリングです
Embedded couplingをIdeal Transformerに設定するとIdeal Transformerベースのカップリングが
トランスの2つの巻線の間に配置されますEmbedded couplingがTLMに設定されると2次巻線インダクタ(L2)が
TLMカップリングコンポーネントに置き換えられます インダクタンスは
カップリングとTLMに隠された埋め込みインダクタの間で分割され ます TLMと組み込みインダクタの比率は
コンパイラが決定しますが明確に指定することもできます [Automatic]オプションが選択され ている場合
Ratioはdiscretization methodによって決定されます
[Manual]オプションが選択されている場合は要件を満たすようにRatioを明確に設定できます
カップリングオプションが埋め込まれているコンポーネントのリストは[Materials]タブにあります
それではITコアカップリングを使用することが推奨される場合と
TLMカップリングエレメントを使用することが推奨される場合について実際の例で見てみましょう
次の例では一般的な回路分割のパターンを説明します
Example Explorerに入り grid-conneted converter ->
three-phase back-to-back converterを選択してみましょう
ご覧 のとおり大きなDCリンクキャパシタを介して結合された2つのコンバータがあります
コンバータ全体の重みは6なのでこの回路分割が必要です Model -> model setting ->Hardware setting - >と辿って行きdevice tableを確認すると
選択したデバイス構成の最大コンバータの重みはコアあたり3であることがわかります
カップリングに適した位置は2つあります
キャパシタはゆっくりと電圧が変化するはずなのでこれらの位置は
キャパシタの左側または右側のいずれかになり ますカップリング の赤い電流側は
キャパシタと並列に接続する必要があります双方を満足する策を試してみましょう
どちらの場合もトポロジーの競合が発生していることがわかります
ご覧のとおりインバータが短絡モードのときカップリングの緑色の側に問題が表示されます
通常の作業ではコンバータが短絡モードで動作することは考えないので
この警告は無視できます
警告を解決したい場合はカップリング部品のvoltage source sideでdynamic resistive スナバを有効にします
次にITコアカップリングの使用方法を示す別の例を示します
この例を見つけるには
Example ExplorerでElectrical Drives->indm open loop control ->Induction Machine Open Loopの順に選択します
ご覧のとおりこの例には重み3の三相整流器と重み3の三相インバータが含まれています
このデバイス構成のデバイステーブルで最大コンバータの重みを見つけることができます
ここでは重みがコアあたり3であることがわかりますつまりこのモデルを
2つのコアに分割する必要があります ITカップリングはパワーエレクトロニクス用途に適しているため
この回路を分離するために使用します以前の レッスンで提案したように
カップリングの赤側は キャパシタの方に配置します
次の例はTLMカップリングの一般的な使用法を示しています
説明したようにTLMカップリングは主に電力システムとマイクログリッド用途で使用されます
TLMカップリングの使用 例を2つ見てみましょう 最初の例は
3つのバッテリーコンポーネントとグリッドで構成される単純なマイクログリッドシステムを紹介します この例を見つけるには[Materials]タブをご覧ください
この例では一般的なマイクログリッドコンポーネントが使用されています
このモデルをカップリング無しでコンパイルしてみるとマトリックスメモリが100%以上使用されていることがわかります
このモデルはカップリングで分割する必要があり分割に最適な場所は
TLM結合が埋め込まれているRLセクションです
この場合ITカップリングの適切な位置がどこにあるかは明らかではありません
上記のITカップリングの配置に関する一般的なルールに従うと
この例には適用されないことがわかります
たとえばグリッドとRLセクションの間にITカップリングを配置すると
どちらの場合もコアカップリングの電流側がインダクタに向かって配置されます
これはトポロジの競合を引き起こす可能性があるためお勧めしません
ここではスナバが必要でありパラメータ化する必要がありますが
不安定性の問題から厄介なことになります
ITコアカップリングコンポーネントの最適な場所がそれほど明確でない場合は
TLMカップリングが推奨される解決策です TLMカップリングを使用することにより
このカップリング配置の問題を回避できます次の例は電力システム用途を表しています
Example ExplorerでPower Systems IEEE33バスシステムの例を開いてみましょう
ご覧のとおりこの例は非常に複雑であり
カップリングの向きが重要であるためITカップリングに適した位置を見つけるのは簡単ではありません
この種のアプリケーションにITカップリングを使用する場合は
パラメータ化が困難な スナバを追加する必要があります またITカップリングはTLMカップリングを使用することで
回避できる不安定性を引き起こす可能性があります
ご覧のとおりTLMカップリングの自然な場所を表すRLセクションがありますこれらの理由からこの例では誘導TLMカップリングが使用されています
各タイプのコアカップリングの主な長所と短所をまとめてみましょう
対称性に関してはITカップリングは非対称ですがTLMカップリングは対称です
ITカップリングには任意の離散化方法を適用できますが
TLMカップリングにはbilinearまたはtrapezoidalの離散化方法をお勧めします TLMカップリングは配置が簡単ですが
ITカップリングは配置に関していくつかの追加の考慮事項が必要です
スナバはITカップリングに特徴的ですがTLMコアカップリングではスナバは必要ありません
TLMカップリングはモデルに寄生インピーダンスを注入しますが
ITカップリングの場合はそうではありません ITカップリングはパワーエレクトロニクス用途に適して
いますがTLMカップリングはマイクログリッドおよび電力システム用途に推奨されます
このレッスンでは電気回路パーティションおよびコアカップリングコンポーネントの
主なグループそれらの長所と短所について説明しました
次のレッスンでは信号処理回路の分割とITスナバのパラメータ化に焦点を当てます
ではまたお会いしましょう!